
五穀豊穣(ほうじょう)、悪疫退散を祈願する秦野市の「瓜生野百八松明(うりゅうのひゃくはったい)」が14日夜、同市南矢名の龍法寺門前などで行われる。室町時代に始まったと伝えられ、1975年に市の無形民俗文化財に指定されている。また、同夜は同市下大槻でも、虫送り行事の「下大槻百(ひゃく)八炬火(はったい)」が行われる。
瓜生野百八松明は、保存会(伊藤俊晟会長)が麦わらで作った長さ2~3メートルの松明を権現山山頂に運び、日没ごろ点火。そろいの法被を着た子どもたちを先頭に、ふもとの龍法寺門前まで担ぎ下ろす。
門前では路上に置かれた麦わらにも点火され、付近は明るく照らし出される。担いできた火の付いた松明を若者が振り回すたびに、火の粉が飛び散り勇壮な雰囲気となり、見守る人々から歓声が上がる。
同百八松明は、1998年までは14、15日の両夜行われていたが、麦わらの入手が難しくなり、14日夜だけとなった。
下大槻の百八炬火は、南平橋付近の田のあぜ道にわらが積まれ、日没とともに次々と火が付けられる。米の豊作と無病息災を祈願する行事。
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