横浜市は1日、大規模地震を想定した災害対策本部運営訓練を実施した。市職員や県警、自衛隊など約250人がロールプレイング方式の図上訓練に参加、危機対応へ連携の大切さを再確認した。
訓練は相模湾を震源とするマグニチュード8.1の元禄型関東地震が発生したという想定。林文子市長は「あらゆる情報を速やかに集約し、即時に共有し、柔軟に対応する必要がある。しっかり意識して訓練に臨んでほしい」と訓示した。
図上訓練では、局を横断した職員で「救出・救助」「被災者支援」「物資」「帰宅困難者対策」などのチームを編成。大型画面に映し出された被害状況が刻々と変化するのを確認しながら、情報収集や関係各所と対応を図った。
熊本地震では物資搬送の遅れなどの課題が指摘されたため、物流会社2社も訓練に参加した。
市担当者は「熊本地震の支援活動で得た教訓も踏まえ、訓練での課題を改善していきたい」と話した。
トイレ問題 対処法は
防災の日にちなみ、災害時のトイレ環境を考えるイベントが1日、横浜市港北区の奈良建設で開かれた。約100人が参加し、避難所でのトイレの対処法や要援護者への配慮、災害前の備えなどについて学んだ。
イベントではNPO法人日本トイレ研究所理事の上(うえ)幸雄(こうお)さん(70)が、災害時のトイレ対策について講演。東日本大震災をはじめ震災時は断水で水洗トイレが使えなくなることが多いと説明した上で、岩手県内の避難所仮設トイレの写真などを見せながら、トイレの位置や動線確保の重要性、高齢者や障害者ら要援護者にも配慮した多様な災害用トイレの整備を訴えた。
また、被災者に多いエコノミークラス症候群について、仮設トイレを使いたくないがために水や食事を控えるのも一因と指摘。「トイレは命と尊厳の問題。死にもつながるという認識を持って対応してほしい」と呼び掛けた。
港北区危機管理・地域防災担当による防災情報や、人工肛門造設者によるオストメイト対応トイレの必要性などの説明も行われた。
会場では災害などによる断水時でも使える無水小便器なども展示された。