1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 不妊原因解明へ光、横浜市大研究グループがマウスで精子形成に成功/神奈川

不妊原因解明へ光、横浜市大研究グループがマウスで精子形成に成功/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2011年6月7日(火) 12:33

男性不妊症の病態解明に取り組む小川准教授=横浜市立大
男性不妊症の病態解明に取り組む小川准教授=横浜市立大

横浜市立大学大学院医学研究科の小川毅彦准教授のグループが、マウスの精子幹細胞から精子を産出する技術の開発に世界で初めて成功した。これまで不明だった精子形成のメカニズム解明につながる成果で、詳しい原因が分かっていない男性不妊症(精子形成障害)の病態解明や治療法の発見に結び付けようと、研究を進めている。

研究成果は、今年3月、英科学誌ネイチャーに発表した。小川准教授によると、男性に起因する不妊症のうち、8割が精子形成障害とされる。しかし、精子が形作られる過程の詳しい仕組みは分からず、障害をもたらす要因も不明だ。

小川准教授のグループは、理化学研究所バイオリソースセンターと共同で、2007年に研究に着手。精子のもとになる精子幹細胞をマウスから取り出し、培養して精子形成を再現しようと試みた。

約1世紀前から行われてきた研究で、1960年代に細胞分裂の途中まで再現することに成功したが、マウスの精子が完全に形成されるまでの35日間、培養環境を維持することができず、研究は進まないまま約半世紀が経過。「再現は不可能というのが学会の通念になっていた」(小川准教授)という。小川准教授らは、培地に、一般的に使用される牛の血清ではなく、胚性幹細胞(ES細胞)の培養に使われる代替物質(KSR)を加えたところ、培養環境を約2カ月維持することに成功。「偶然が重なった部分はあるが、長年の課題を突破でき、うれしかった」と振り返る。

大学共同利用機関法人・基礎生物学研究所の吉田松生教授は「体内で起きている現象を再現できず、研究が進まなかった分野。男性不妊症で治療が難しかった人を救う手がかりになるのではないか」と研究の意義を語る。

今回、産生した精子を使って体外受精を行ったところ、オス4匹、メス8匹の出産にも成功。この子マウスもさらに孫マウスを産み、発育異常は見あたらないことも実証した。小川准教授は「将来的には臨床の場にも役立てていきたい」と話している。

【】


培養下で作られたマウスの精子
培養下で作られたマウスの精子

理化学研究所に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング