東日本大震災の被災地の農産物を積極的に販売する動きが広がっている。百貨店やスーパーは、東北地方や北関東の野菜を扱うセールを実施。原発事故の影響で広がる風評被害を小売りの立場で防ごうと、消費を喚起して生産者を応援する考えだ。
横浜高島屋は6日、群馬、栃木、茨城、千葉、福島県産の野菜計約30種類を扱うフェアを始めた。「頑張ろうニッポン」と掲げたコーナーには、キュウリ、トマト、ナスなどが並ぶ。
群馬県農政部の職員も売り場に駆けつけた。同県産ホウレンソウとカキナの一部からは暫定基準値を超える放射性物質が検出され、出荷制限が続く。職員は「ほかの野菜まで相場が下がっている。生産者は歯がゆい思いをしている」と窮状を説明。かつて群馬に住んでいたという横浜市旭区の主婦(69)は「少しでも支援できれば」と5本189円のキュウリを購入していた。
そごう横浜店は宮城県の物産展を縮小して開催している。震災で開催自体が危ぶまれたが、出店可能だった3店が、ずんだ餅やイカの南蛮漬けなどを販売中。8日と9日は北関東産の野菜のセールを行う。
スーパーも支援セールを始めている。イトーヨーカ堂は6日、「がんばろう東北!応援セール」として、東北地方のコメや牛肉など約60品目を並べた。
食品スーパー「FUJI」を展開する富士シティオは9日、横浜南店(横浜市南区)と上野川店(川崎市宮前区)で「がんばろう!茨城県フェア」を開く。レタスやカリフラワーなど計9品目をそろえる予定。同県のJA職員と生産者が来店し、生食での試食販売も実施する。
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