1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 東京湾の船舶事故が激減、海上交通新ルールで対応スムーズに/神奈川

東京湾の船舶事故が激減、海上交通新ルールで対応スムーズに/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2011年2月21日(月) 13:14

東京湾を航行する船舶に情報提供を行う東京湾海上交通センター。奥の陸地は千葉・富津岬方面(第3管区海上保安本部提供)
東京湾を航行する船舶に情報提供を行う東京湾海上交通センター。奥の陸地は千葉・富津岬方面(第3管区海上保安本部提供)

昨年7月の海上交通ルールの変更以降、東京湾内の船舶事故が激減している。新ルールでは、特定の海域を航行する長さ50メートル以上の船舶に、東京湾海上交通センター(横須賀市)が出す情報の聴取義務を課した。湾内の交通誘導に当たる同センターと航行船舶が常時、無線で意思疎通が図れるようになり、有事の際の対応が格段にスムーズになったようだ。

第3管区海上保安本部(横浜市中区)によると、東京湾で2010年7~12月に発生した衝突・乗り揚げ事故の発生件数(100トン以上の船舶)は1件。09年の同時期が10件、08年が11件、07年が14件だったのに比べ、大幅に減少した。

新ルールは、海上交通安全法の改正で導入された。これまでは、無線で呼び掛けても応答がない船舶もいたため、船舶が特に交錯する浦賀水道から横浜港沖にかけての海域を、情報の聴取義務海域に設定。VHF無線などによる同センターとの交信を、航行船舶に義務付けた。

また、必要に応じた船舶への勧告など、管制官の権限も強化した。

さらに、航行船舶の情報収集を徹底するための行政指導も、ルール変更に合わせて取り入れた。AIS(船舶自動識別装置)を搭載していない長さ50メートル以上の船舶が、指定した湾内8カ所のラインを通過する際、無線による位置通報を義務化。同センターに船名や行き先などを報告するよう規定した。

10年7~12月の無線の使用回数は、1日当たり約530回。400回強だった09年同時期との比較で、約3割増えた。勧告件数は12月末で27回という。

こうした変更点が有効に働いた事例が8月18日。横浜・根岸沖を南航中の貨物船の速力が急速低下したことに管制官が気付き、無線で機関故障を確認した。ただちに、後方を航行していた2隻と前方から向かってきた1隻に注意喚起を行うとともに、貨物船には衝突回避に向け、その後の具体的な操船を勧告した。

8月26日には、浦賀水道航路を南航していた貨物船が北航帯(自動車の車線に該当)にはみ出して航行。このため、貨物船には無線で南航帯に戻るよう勧告するとともに、近くにいた2隻に注意喚起を行った。

変更後の利点について「付近にいる船舶全体に対する注意喚起ではなく、『○○丸はこうしてください』と個別に情報提供できる点が大きい」と3管本部。「具体的な船名を挙げて促すことで、船舶関係者が自船のこととして受け止められる」と説明した。

06年のデータでは、衝突・乗り揚げ事故による、1隻当たりの平均損害額は約4億円。3管本部は「単純計算で40億円ほどの経済効果があったのではないか。今後も適切な情報提供に努めていきたい」とした。

【】

管制官に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング