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学校新設でも抜本改善見えず、慢性的な看護師不足/藤沢

社会 | 神奈川新聞 | 2011年2月17日(木) 00:50

2011年度末で閉鎖される湘南看護専門学校。築30年以上を経て老朽化し建て替えを迫られている=藤沢市天神町
2011年度末で閉鎖される湘南看護専門学校。築30年以上を経て老朽化し建て替えを迫られている=藤沢市天神町

「看護師1人が担当する患者の数は確実に増えている。看護師の養成学校が減ってしまえば、地域医療は本当に立ち行かなくなってしまう」。危機感をあらわにするのは、藤沢市医師会の武内鉄夫会長だ。

藤沢市、茅ケ崎の両医師会によると、同医療圏では2007年の看護職員の有効求人数297人に対し、雇用実績は80人だったという。募集の3割にも満たない。看護師充足率の指標である人口10万人に対する看護師の数でも県内平均304人のところ、同医療圏は206人で最も少ない。

武内会長は「看護師が不足すると勤務体系が悪化し、なり手が減るという悪循環に陥りかけている。足りなければベッド数を減らさざるを得なくなる。患者を受け入れられない病院が増え、結果的に地域医療の崩壊を招く」と指摘する。

◆卒業生ゼロに

湘南看護専門学校は開校以来30年、学費と補助金で収支トントンの経営を続けてきた。だが異変が起きたのは08年度。看護実習生約20人の受け入れ病院が4カ所に分散したことで、教員の数を増やさざるを得なくなりコスト増を招いた。

均衡していた収支は崩れ、毎年の赤字を医師会が負担することになった。加えて築30年以上を経過した校舎の建て替えも喫緊の課題として浮上。経営再建が難しくなった。

同校は12年3月末で閉鎖。新設される看護学校から卒業生が出るのは16年3月で、3年間卒業生がゼロになってしまう。

◆続く圏外就職

湘南東部で看護師が特に不足しがちなのには特有の事情もある。湘南看護専門学校では毎年70人弱の看護師を送り出しているが、その7割近くが近隣都市へ就職してしまうのだ。「鎌倉や大和市などの隣接市のほか、横浜などの大規模病院に奪われてしまう」(武内会長)という。

大規模な大学病院では、患者1人当たりの看護師の数を増やすと制度上、高額な診療報酬を得られるため獲得競争が激化しているという。結果的に中小病院は募集をかけても十分な看護師を雇い入れにくい構造が浮かび上がってくる。

看護師不足に悩まされている湘南東部医療圏(藤沢、茅ケ崎市、寒川町)。看護学校が新設される見通しになったが、それでも、現状が抜本改善される見込みは立っていない。看護師が不足し稼働ベッド数を減らす病院まで出るなど、地域医療が揺れている。

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