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心の成長の場に、本好き夫婦が2万冊の図書館開所し10年/相模原

社会 | 神奈川新聞 | 2011年1月22日(土) 11:25

「あおぞら文庫」を開所し、10年目を迎えた高城さん夫婦=相模原市緑区青野原
「あおぞら文庫」を開所し、10年目を迎えた高城さん夫婦=相模原市緑区青野原

相模原市緑区の青野原地区で、本好き夫婦が自宅内を無料開放する私設図書館「あおぞら文庫」が、今年で開所10年目を迎えた。当初、200冊だった蔵書は、多くの寄贈で約2万冊に達した。地域の子どもたちからは「あおぶん」の愛称で親しまれ、お年寄りが集う憩いの場にもなっている。夫婦は「心の成長の場として、これからもこつこつ、細く長く続けていきたい」と話している。

夏目漱石など歴々の文豪から、村上春樹さんら現代作家、「名探偵コナン」などの人気漫画や絵本…。壁一面に備え付けられた手作りの本棚に、ジャンルを問わずぎっしりと並ぶ。「あおぞら文庫」は青野原地区で食料品や雑貨などを扱う「高城商店」の高城正仁さん(59)と佳子さん(59)夫婦が、2001年に開所した。

もともと、佳子さんが「結婚前のお給料はどんどんつぎ込んだ」という本の虫。当時青野原地区にあった公共施設内の図書室は、開館日が週一日と少なかったため、「大きな図書館や大型書店のない地域でも、本を楽しめる環境を提供したい」と自宅脇の駐車場を改装。家族の協力も得て、家にある本約200冊を集め、誰でも利用できるよう無料で開放した。

開館は午前8時半から、夕方暗くなるまで。休みは水曜の週1回のみ。当初は扉もなく「雨や雪の日は、夫婦でブルーシートをかけて本を守った」という簡素な造りだった。改装を重ねた今では、木製の机と椅子が並ぶアットホームな雰囲気となり、地域のお年寄りが集い、お茶を飲んだり、手芸を楽しむ場にもなっている。

開所してすぐに、近所の中学生の男の子が漫画本2冊を寄贈してくれた。以降、口コミで善意の輪が広まり、寄贈者は100人を超える。東京や千葉から、読み終えた本を届けてくれた人もいた。幅広いジャンルの作品がそろい、旧津久井町出身の政治家「尾崎咢(がく)堂(どう)」など、地域の偉人や歴史を扱った本のコーナーもできた。

佳子さんには、一冊の本から大切な出会いを得た経験がある。結婚前、養護施設で働いていた佳子さんは、幼児教育の重要性を説いた専門家の著書を読み、その考え方に感銘を受けた。著者に手紙を送り、地域で講演を依頼するなど、親交を深めた。「文庫」にメッセージを贈ってもらうなど、現在も活動を続ける力をもらっている。

「人との出会いにつながったり、人生を豊かにする良書と巡り会ってほしい」。

熱心に「文庫」に通ってくれる子どもたちをそっと見守りながら、佳子さんは願っている。

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