横浜市金沢区の斜面地で建設中の「地下室マンション」を巡り、市が業者に開発を許可したのは違法として、周辺住民が市に開発許可を取り消すよう求めた訴訟の判決で、横浜地裁(徳岡治裁判長)は8日、「法令違反は認められない」などとして請求をいずれも棄却した。
マンションは2棟計113戸の計画で、今春に完成予定。原告側は斜面地の切り土や擁壁に関して、宅地開発の安全基準を定めた法令に違反していると主張。崩落などにより、開発区域直下に住む原告の生命や財産に損害を与える恐れがあると訴えていた。
判決は、切り土を行った斜面地の土質について「風化の著しい岩とは認められない」と指摘。切り土後の斜面地の角度に問題はなく違法性はないとした。高さ1メートル超の盛り土を行った場合に設置が必要な擁壁についても、「1メートルを超えるものはない」などとして違法性を否定した。
原告の代理人弁護士は「不当判決。控訴を検討したい」と述べた。
同マンションを巡っては東京地裁が昨年11月、2棟のうち1棟が10メートルの高さ規制に抵触し建築基準法に違反すると認定、民間の検査機関が行った建築確認を取り消す判決を言い渡した。東京高裁で控訴審が係争中。