南足柄市戦没者追悼式が19日、同市関本の市文化会館で開かれた。遺族や関係者ら約80人が参列。先の大戦で散った故人の冥福を祈り、不戦の誓いを新たにした。
1分間の黙とうの後、市遺族会の込山勉会長(78)は「二度と悲惨な歴史を繰り返さないよう、戦争から学んだ教訓と平和の尊さを忘れることなく次世代に伝承し、恒久平和の実現に努めていく」と追悼の言葉を述べた。その後、遺族や来賓が一人一人、会場に設けられた祭壇に献花し、静かに手を合わせた。
込山会長の父親は、太平洋戦争末期の1945年7月、フィリピン・ミンダナオ島で戦死した。空っぽの骨つぼが届いたことを、今でもはっきりと覚えているという。
戦後71年を迎え、継承のあり方が改めて問われる中、込山会長は式後、「子どもや孫に語り継ぐより先に、兄弟・親類ら遺族会の会員をもっと増やす努力をしなければならない」と強調した。
足柄上地域1市5町は2年に1度、合同で慰霊大祭を行っており、大祭がない年に南足柄市は単独で追悼式を行っている。