
横浜港で4日、船舶内の爆発物テロを想定した訓練があった。2019年にラグビーワールドカップ、20年に東京五輪・パラリンピックを控えていることから、横浜市消防局など各局と県警、海上保安庁、医療機関など関係12機関の約140人が参加。互いに連携を図り、現場の情報収集や負傷者の救護などの流れを確認した。
大黒ふ頭(横浜市鶴見区)に着岸した船舶内で何かが爆発し、約40人の負傷者が出たと想定。消防隊員が有毒ガスなどの発生がないか調べた後、乗客の負傷度合いに応じて治療の優先順位を判断する「トリアージ」を行い、看護師らが待機する仮設の救護所に搬送した。
その後、警察官が船内を捜索し、新たな不審物を発見。爆発物の可能性が高いとして県警機動隊の爆発物処理班が出動して不審物を運び出した。
爆発の勢いで海中に転落した人を巡視艇や消防船が救助し、消防のヘリコプターでつり上げて病院に搬送する訓練も。市消防局の伊藤賢司警防課長は「爆発物テロは海外で多く発生している。関係機関が連携してあらゆる災害に備えたい」と話した。