
横浜、川崎市内などを流れる1級河川、鶴見川と支流の流域で、最大級の雨が降った場合の洪水想定図が2日、国土交通省京浜河川事務所と県から公表された。浸水深(浸水時の水位)が最も高いのは、横浜市港北区の10・1メートル。あふれた川の水が引くまでに6日間を要すると予想された地域や氾濫時の水流で家屋倒壊の恐れがある区域もあり、流域住民の避難対策をどう見直すかが今後の課題となる。
洪水想定が公表されたのは、鶴見川とその支流の矢上川や早淵川、恩田川、梅田川などを含む10の河川。従来の洪水想定は流域全体で48時間に降る雨の量を405ミリとして試算していたが、温暖化などを背景により深刻な降雨になる可能性を考慮し、48時間に792ミリの雨が降ったとして洪水の影響を見積もった。
それによると、浸水が想定されるのは、横浜市が鶴見、神奈川、港北、緑、青葉、都筑の6区。川崎市は川崎、幸、中原、高津、宮前、麻生の6区。流域全体の浸水面積は、従来想定の35平方キロから58平方キロに拡大した。
浸水深は横浜市営地下鉄北新横浜駅付近の港北区新羽町が10・1メートル、同区小机町で6・8メートルと、日産スタジアムのある多目的遊水地の周辺で水位が高くなるとの予想となった。この一帯は地盤が低いためで、氾濫時の水流によって家屋の流失や倒壊の恐れがある区域も複数示された。