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新たに森林土壌流出防止策 県が次期水源環境保全・再生実行計画案

社会 | 神奈川新聞 | 2016年7月11日(月) 02:00

3期計画で崩壊地に導入する森林土壌流出防止用の土木的工法(神奈川県提供)
3期計画で崩壊地に導入する森林土壌流出防止用の土木的工法(神奈川県提供)

 神奈川県はこのほど、20年間の取り組み期間のうち、3期目(2017~21年度)となる次期かながわ水源環境保全・再生実行計画案をまとめた。個人県民税の超過課税(水源環境保全税)を財源とした事業は後半に入る。基本的にこれまでの事業を継続するが、近年、頻発する豪雨で引き起こされる森林土壌流出への防止策を新たに盛り込んだ。3期の水源税を決める県税条例改正案を9月の県議会に提出し、11月に計画策定を終える予定。

 計画案は、昨年9月の骨子案、同12月の素案に対するそれぞれの県民意見の募集、反映の手続きを経て今年6月に作成。大綱に基づき07年度に始まった事業は5年ごとに評価、計画内容が見直される仕組み。

 1期(07~11年度)、2期(12~16年度)と続いた各計画は水源涵養(かんよう)機能の回復、公共用水域の水質改善を目的に12の特別事業で構成。水源林再生を目指した公的管理・支援により、手入れが行われていない民間の人工林が半減するなどの成果が表れる一方、地層崩壊による森林被害や箱根でのシカ食害への対応も求められ、3期では特別事業を11に組み替える。

 新たに柱立てされた土壌保全対策は、10年の台風の大雨により県西地域で相次いだ脆弱(ぜいじゃく)な山間部の地層崩壊を教訓に検討された。既存の治山事業で対象になっていない70カ所で、自然石やコンクリートを使用した土木的工法で水源林の土壌流出を防ぐ。事業費は5年間で13億円。

 シカの管理捕獲は対象地域を食害が見られなかった箱根山地と都県境の小仏山地に拡大。丹沢で効果が出ている、シカの生息密度を減らしながら森林の健全化を進める事業も導入する。

 水源税を財源とする事業費は3期分で200億円を見込む。税額の決定は、9月の県議会に関連条例改正案を提出する。事業費は1期189億円、2期(16年度分は当初予算額)204億円、県民1人当たりの年平均負担額は同じく1期約950円、2期約890円で推移している。

 県水源環境保全課は「1、2期の事業はおおむね順調に進捗(しんちょく)している。県民会議の意見などを踏まえ、3期は基本的に事業を継続、新たに判明した課題に対しては確実な効果が見込める事業を実施していく」と話している。

 
 

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