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「どうやって選べばいい?」 平塚工科高で模擬投票

社会 | 神奈川新聞 | 2016年7月1日(金) 02:00

高校生が選挙の手順を体験した模擬投票=平塚工科高
高校生が選挙の手順を体験した模擬投票=平塚工科高

 参院選(7月10日投開票)の期日前投票が各地で行われ、新たに選挙権を得た18、19歳の若者も投票所に足を運んでいる。神奈川県立高校は、実際に出馬している候補に1票を投じる模擬投票を全校でスタート。高校生の投票率アップに期待が高まるが、生徒からは「本番ではどうやって選べばいいのか…」と困惑する声も。10代の目で政治を読み解き、有権者の“選択眼”を養う政治教育の課題が、改めて浮かび上がった。

 授業を終えた生徒たちが会議室の「投票所」に続々と集まり、投票用紙に政党と候補者名を記入して投票箱に入れていく。29日、県内144校のトップを切って全学年で模擬投票を実施した平塚工科高校(平塚市)では、多くの生徒が選挙の手順を体験した。

 3年の男子生徒(18)は「有権者になった実感が湧いた。国のために動いてくれそうな人に投票したい」。担当の川上司教諭は「政治参加の意識が高まり、生徒には良い予行練習になったと思う」と、「本番」につながることに期待を寄せた。

 ただ、生徒の中には選択の難しさを痛感する声も。3年の他の生徒(18)は「演説を聴いてもいろんな主張があって、どうやって決めればいいのか分からない」と吐露。高校生が暮らしの中で政治を身近に捉え、政党や候補を見極める難しさを代弁した。

 県教育委員会の担当者は「投票先を決めるための考え方などについて事前学習で教えるのが理想」としているが、投票手順の確認で終わってしまうのが実情という。一般科目の授業が少ない専門校や選挙期間と定期テストの時期が重なる高校は、対応に苦慮する。

 鶴見高校(横浜市鶴見区)は30日、全校生徒に事前学習を実施。生徒は地域の身近な課題と各政党の公約との関係を考えた。期末テスト最終日の7月6日に模擬投票を予定しているが、徳原拓哉教諭は「テストを控える生徒に負担がかかるのではないかと心配もある。選挙前に慌ててやるのではなく、継続的に取り組んでいく必要性を感じている」と話す。

 一部の高校では政治参加の意識や課題解決の力を高める「シチズンシップ教育」に取り組んでいるものの、具体的な政治的課題の扱い方に慎重な高校もあり、まだ浸透していないのが現状だ。

 
 
 

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