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「司法の犯罪」問う、横浜事件・国賠訴訟あす30日判決

社会 | 神奈川新聞 | 2016年6月29日(水) 16:40

国家賠償請求訴訟に込めた思いを語る木村まきさん=都内
国家賠償請求訴訟に込めた思いを語る木村まきさん=都内

 戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」の元被告の遺族が、国に計1億3800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁で言い渡される。遺族側は、特高警察による拷問や裁判記録を焼却したことの違法性に加え、再審公判でも無罪判決を言い渡さなかったことの責任を訴える。横浜事件を巡る唯一の国家賠償請求で、国の責任をどう判断するかが焦点だ。

 原告は、元中央公論編集者木村亨さん(1998年死去)と、元南満州鉄道(満鉄)調査部員平舘利雄さん(91年死去)の遺族。2人は戦時中に「共産党の再建を企てた」などとして治安維持法違反容疑で逮捕され、敗戦直後の45年9月に横浜地裁で有罪判決を受けた。「拷問でうその自白を強いられた」として86年から再審を請求、2人の死去後は遺族が裁判を引き継いだが2008年に裁判を打ち切る免訴判決が確定した。

 遺族側は、神奈川県警特高警察が拷問による取り調べを行い、検察官も嫌疑なき起訴をした▽裁判官が有罪判決を言い渡し、裁判所職員が訴訟記録などを焼却処分した▽裁判官が再審請求を棄却し、再審公判で無罪判決ではなく免訴判決を言い渡した-ことについて、国の違法性を主張。有罪か無罪かを判断しない免訴判決では、2人の名誉が回復されないと訴える。

 国側は、1947年の国家賠償法施行前は賠償責任を負わないとする「国家無答責」の適用を求めているほか、再審請求での裁判官の判断についても違法性はないと強調している。

 横浜事件を巡っては、2008年に免訴が確定した5人の遺族が求めた刑事補償で横浜地裁は10年、「実体判断が可能ならば被告は無罪だった」と冤罪(えんざい)の判断を示している。国賠訴訟は、2人の遺族が12年12月に提訴していた。

記録焼却、遺族怒り 「人権ないがしろ、今も」



 「横浜事件は司法による犯罪。今の裁判官が昔の司法を裁くのは難しいだろうが、どんな存在であっても裁くのが司法の役割だ」

 木村亨さんの妻で原告のまきさん(67)は、30日の判決に期待を寄せる。亨さんの死去後も続いた再審公判は、有罪無罪に踏み込まない免訴で幕を閉じた。刑事補償で「実質無罪」とされたものの、「謝罪もされず、名誉回復もされなかった」との思いで国賠訴訟を闘ってきた。

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