
小田原市は、児童のために学習支援や体験活動を行う「放課後子ども教室」を拡充する。新たに久野、三の丸、報徳の市立3小学校で開設。各校の特徴や置かれた状況を考慮したプログラムを用意する。
子ども教室は放課後の安全な居場所として、2012年度に小規模特認校の市立片浦小(同市根府川)に初めて設置された。教員OBが勉強を教えたり、コーディネーターが昔遊びや自然観察などの体験活動を企画したりしている。保護者が共働きだったり、病気で入院したりしている児童らを対象とした「放課後児童クラブ」とは異なり、登録すれば原則として誰でも利用できるのが特徴だ。15年度には市立酒匂小(同市酒匂)にも導入された。
新たに子ども教室が設置される3校は、それぞれ対象や内容が異なる。22日から始める久野小(同市久野)は3~6年生が対象。同校の希望で、中学校に進学した際に大きな課題となる「中1ギャップ」を少しでも防ごうと、特に学習支援に力を入れる。28日から実施する三の丸小(同市本町)も学習支援を重視するが、内情は別。自由に時間を過ごす児童クラブを96人が利用しており、学習支援を行う子ども教室への利用転換を促し、少しでも机に向かう習慣を根付かせたい考えだ。
7月6日から開設する報徳小(同市小台)の対象は1~3年生。同校周辺は水田が広がり、特に冬の夜間は暗くなる。低学年を対象とした子ども教室を導入することで、結果的に低学年と高学年が一緒に下校できるようになる。また同校の「ビオトープ」も体験活動に活用する。市教育総務課は「子ども教室を将来的には市立小全校に拡大していきたい」と話している。