昨年4月の相模原市議選南区選挙区で最下位当選し、票の再点検で一転落選と判断された市議の小林丈人氏(44)が、当選無効とした県選挙管理員会の裁定を取り消すよう求めた訴訟で、小林氏敗訴の東京高裁判決が15日までに確定した。最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)が14日付で小林氏の上告を退ける決定を行い、小林氏は同日付で市議の資格を失った。
確定判決によると、小林氏は次点の大槻和弘氏(60)と0・661票差で当選したが、大槻氏の異議申し出を受けた市選管が昨年5月に票を再点検。開票時に無効とされた1票を大槻氏の票とし、小林氏の当選を無効とした。
15日に相模原市内で会見した小林氏は「非常に無念。応援していただいた方々や、私に票を入れていただいた3304人の思いを考えると胸が詰まる思いがする。地域を活性化させたいと市議になったが、志半ばとなり残念だ」と述べた。
最高裁の上告棄却を受け同日、県選管の山田吉三郎委員長は「県選管が行った裁決の正当性が最高裁判所に認められたものと受け止めている。今後とも公正な選挙の管理に一層努力する」とのコメントを発表した。
逆転当選が確定した大槻氏は、今後開かれる選挙会を経て、来週にも正式に市議となる見通し。
会期中異例の“交代”
最高裁が小林丈人氏(44)の上告を退ける決定をした14日の時点で、小林氏は相模原市議の身分を失った。折しも市議会は6月定例会議が開かれており、会期中に出席議員が“交代”する異例の事態となる。
小林氏は、昨年4月に初当選。約1年1カ月、正式な市議として活動してきた。今回は途中失職扱いで、期数も「1期」とカウントされる。
1会期制の市議会では、1日から6月定例会議が開会。小林氏は2016年度市一般会計補正予算案などを審議するため9~10日の本会議に出席していたが、この日が最後となった。16日には所属していた環境経済常任委員会があったという。
一方、次点から逆転当選した大槻和弘氏(60)は、来週にも正式に市議に就任し、定例会議に出席する見通しだ。