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ヘイト道路使用許可 あす5日デモ、対応注目 県警と県公安委

社会 | 神奈川新聞 | 2016年6月4日(土) 02:00

 在日コリアンの差別や殺害までをあおるヘイトスピーチデモを繰り返している男性が5日に川崎市中原区でデモを計画している問題で、県公安委員会と県警は3日、男性のデモと道路使用の申請を許可した。ヘイトスピーチ解消法が同日施行したことを受け、警察庁はヘイトデモについて違法行為があった場合、厳正に対処するよう全国の警察本部に通達をしており、当日の県警、中原署の対応が注目される。

 県警によると、県公安委員会の臨時会議には委員5人全員が出席。許可の可否については当初意見が分かれたが、全会一致で認める決定をした。県警警備課は「(男性に)ヘイトスピーチ解消法の趣旨を説明し、中止を促したが受け入れられなかった。『公共の安寧の保持に直接危険が及ぶことが明らか』という県公安条例の(不許可)基準と申請内容を慎重に検討し、認めることとした」と説明した。

 男性は同市在住の津崎尚道氏で、1日に中原署に道路使用許可を申請した。中原平和公園に集まり、5日午前11時半~午後0時半に10~50人でデモ行進するとしている。集会は行わず、公園を出て綱島街道を武蔵小杉駅に向かうという。

 津崎氏は当初、同市川崎区内でデモを計画していたが、川崎市は5月30日、集会と集合場所として申請していた公園の利用を不許可とした。横浜地裁川崎支部も今月2日、在日コリアン集住地域である同区桜本地区でのヘイトデモを禁止する仮処分決定を出していた。

 いずれも、5月24日に成立したヘイトスピーチは許さないとする解消法の趣旨を踏まえた判断。桜本地区を標的にした昨年11月と今年1月のヘイトデモで、津崎氏が「一人残らず日本から出ていくまで、じわじわと真綿で首を絞めてやる」などと発言し、今回も同じく「川崎発!日本浄化デモ」と銘打ち、その「第3弾!」と告知していることなどから、再びヘイトデモが行われる恐れが高いとしていた。

「人権侵害防いで」在日コリアン中原署に要請




 デモが許可されたとの知らせを受け、在日コリアン3世、崔(チェ)江以子(カンイヂャ)さん(42)は申請窓口の中原署へ向かった。県警本部の判断だと分かっていたが、どうしても伝えたかった。

 「私たちの街、桜本で行われたヘイトデモで『公共の安寧』は明らかに害された。不許可を期待していたので大変残念。その上でお願いしたい」と署幹部に続けた。「個人の尊厳が踏みにじられる。人権侵害を未然に防いでほしい」

 わが子の前で「ゴキブリ朝鮮人は出て行け、殺せ」と言われた。「心は殺された」。だからヘイトスピーチは「いつでもどこでも駄目」と訴えてきた。在日集住地域である桜本でのヘイトデモは回避されたが、「中原区だって同じように傷つく人がいる。見過ごすわけにいかない。抗議する市民の安全を確保してほしい」。

 かける期待のよりどころは厳正に対処するとした警察庁通達。「脅迫や名誉毀損(きそん)、侮辱行為があったら直ちにデモを中止させ、市民を守ってほしい」

 市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」はデモ当日の5日、差別反対の意思を示すとともに、差別的言動が行われた場合、即座に警察の対処を求める監視活動を現場で展開する、としている。

ヘイトデモに厳正対処
違法行為現行犯で 警察庁、全国に指示




 ヘイトスピーチ解消法が施行されたのを受け、警察庁は3日、ヘイトスピーチのデモについて、違法行為があれば厳正に対処するよう、全国の警察本部に通達で指示した。

 警察庁によると、ヘイトデモ中に名誉毀損(きそん)罪や暴行罪、道路交通法違反罪などに当たる違法行為を確認した場合、現行犯で取り締まることを想定している。

 解消法は「不当な差別的言動は許されない」と明記した上で、国や地方自治体に相談体制の整備や啓発活動の充実などを求めている。憲法で保障された「表現の自由」を侵害する恐れがあることから禁止規定や罰則は盛り込んでいない。

 そのため警察が解消法でヘイトデモ自体を取り締まることはできず、「現行法を駆使して違反行為を取り締まるしかない」(警察庁担当者)という。

 警察庁は以前からヘイトデモに対し、各都道府県警に厳正な対処を求めてきたが、解消法施行に合わせ改めて指示し、不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを進めるよう通達した。

 ヘイトデモを巡っては、横浜地裁川崎支部が2日、デモ主催者側に一定の範囲内でのデモ禁止を命じる仮処分を決定。大阪市は7月1日、ヘイトスピーチ抑止のための全国初の条例を施行する。

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