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沖縄考
時代の正体〈324〉私たちは当事者 米軍属逮捕

社会 | 神奈川新聞 | 2016年6月4日(土) 02:00

沖縄県の米軍嘉手納基地前で抗議する市民ら =5月20日(共同)
沖縄県の米軍嘉手納基地前で抗議する市民ら =5月20日(共同)

 グラスを持つ手が小刻みに震えていた。注がれた泡盛がわずかに波打つ。小雨降る夏の夜、沖縄本島中部の居酒屋のカウンターだった。

 「米軍の犯罪だけは許せん」

 沖縄県警ベテラン刑事の、1人の沖縄県民としての“告白”。

 その後の沈黙が憤りの深さを語り、沖縄の人々の痛みを代弁していた。本土出身の私は、軽々には言葉を返すことができず、ただ黙ってうなずくことしかできなかった。

障壁


 駆け出し時代を沖縄タイムスの記者として過ごし、沖縄県警担当の3年間は米軍関連の事件事故を追う日々だった。

 飲酒運転は日常茶飯事。行きつけの飲食店に火を放つ、タクシー運転手を脅して料金を踏み倒す、酔って夜中に民家に忍び込んでソファで寝込む、ゲーム感覚で駐車中の車を集団で次々と横転させる、相次ぐ性犯罪では人目をはばからずに駐車場で女性を襲った事件もあった。逃走時に川に入ったり、民家の屋根に上ったり、そのまま帰国してしまったりと、本土では考えられない事態が次々と発生した。

 米軍関連の事件で特に問題になるのが、日米地位協定の厚い壁だ。地位協定は、公務外の事件で容疑者の米軍人や軍属の身柄を米側が確保した場合、起訴までは米側が拘束すると規定する。運用改善の結果、米側が「好意的配慮」を払うことで起訴前の身柄引き渡しに道が開かれたが、裁量権は米側が握る。

 捜査を尽くして逮捕状を取りながらも、容疑者の身柄が引き渡されない。米海兵隊少佐による女性暴行未遂事件の会見中、県警刑事部長が腕を組んで空を見上げ、ぐっとこらえていた表情が忘れられない。冒頭のベテラン刑事同様、「米軍犯罪は絶対に許さん」と語るたたき上げの人だった。

 沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事故では、県警は捜査員の現場立ち入りを拒否された。

 「沖縄県民が納得しない」。捜査1課長が在沖海兵隊法務部に出向き、テーブルをたたきながら現場検証の実現を迫った。日本の一地方警察の現場指揮官が激しく米軍に抗議する。たぎる

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