海老名市教育委員会は児童・生徒の学力アップに向けた授業改善に力を入れている。昨年度、66項目に及ぶ教職員の手引を作成、今年4月には振り返りのチェックシートも作って小中学校の全教職員に配布。手引は学習指導だけでなく、言葉遣いや服装など、子どもたちの模範となることも求めている。
手引は79ページで年代や経験に関係なく、授業実施者として必要となる気配りや技術、態度などを網羅したのが特徴。例えば、あいさつをする際は「時差をつける」ことで、教師と子どもがお互いの姿が見えるなど、コミュニケーションのポイントを紹介している。
「子どもは教師の鏡」の項目では、言葉遣いだけでなく文字、服装、表情、行動などあらゆる点で模範になるよう求めている。学力向上につながるノートの取り方や指導法も具体的に解説している。
手引は校長らベテラン教職員が自らの経験を折り込みながら作成。チェックシートには手引の中で欠かせない20項目を抜粋して掲載、あらためて自己点検してもらうのが目的という。
また今回、特別支援学級の運営ハンドブック(60ページ)も作成した。
市教委教育支援課は「学校現場は近年、中堅が減り若手の割合が相対的に増えている。研修の機会が少ない非正規教職員も1割を超えており、こうした手引を活用する重要性が高まっている」と話している。