
いじめや自殺など、子どもの問題を考える講演「追いつめられる子ども、青年、大人たち」が22日、横須賀市日の出町のヴェルクよこすかで開かれた。教育臨床心理学が専門で、元中央大学教授の横湯園子さんが講師となり、これまでカウンセラーとして子どもと接した体験を紹介し、一人一人に寄り添う重要性を訴えた。
横湯さんは不登校の問題を、戦場から帰還した兵士たちがストレスに苦しむ「戦争神経症」と絡めて、「戦争神経症は、戦争がなければ起きず、不登校は、学校がきちんとすれば大丈夫だった問題」と説明。「学校神経症」と呼び、周りの大人のケアの大切さを強調した。
「いい子」を演じることに疲れて自殺を図った男児がアートセラピーを通して学校に復帰したり、長年引きこもりだった青年が東日本大震災を機に被災地にボランティアに訪れたりした話を紹介。「どの子も時間がかかり、どこでどう変わるかは、私たちには分からない。大人の親切はいつか報われる」と話した。
講演は、市民団体「三浦半島教育を考える会」の主催。市内外から約30人の市民が耳を傾けた。