社会から孤立していた期間が長かったり、働いた経験がなかったりする若い女性を対象に、フォーラム南太田(横浜市南区)が実施している「社会参加体験事業」が本格実施から1年を迎えた。就労体験の一歩前という位置付けで、地域の市民活動などに参加。さまざまな人との出会いや共同作業を通じ、「できる」という実感を培う。支援者が中心になった場だけで女性たちを支えるのではなく、地域住民らの力も借り、前進する機会をつくる取り組みだ。
3月中旬。「ファイバーリサイクルネットワーク」(FRN、同区)の事務所で、全国から届いた着物をリサイクル販売するための値札付けが行われていた。メンバーの大半は50代以上の女性。その中に、若い女性が作業をする一角があった。
集まっていたのは、フォーラム南太田を通じて参加した女性たちだ。初めての人に値札の付け方を説明していたのは、1年近く継続して参加している女性(33)。不登校を経験後に通信制大学を卒業、よこはま若者サポートステーション(同市西区)や就労体験なども経て、FRNに通っている。
初めて来た日から、「ここは緊張しなくていい雰囲気で、安心できた」という。現在はFRNの有償ボランティアにもなっている。「疑問点があったときに、誰に質問すればいいか分かる」ため、経験の浅い参加者に頼られる場面もある。FRN代表の赤岡清子さんは「若い人が来ると雰囲気が変わり、作業もはかどる。特別扱いはしない。たまには行ってみようかな、という場だと思ってもらえれば」と話す。