鎌倉市稲村ガ崎で下水道管が破損し、消毒処理した下水を海に放流している問題で市は13日、材木座や由比ガ浜海水浴場の近くなどで実施した水質調査の結果、水質基準を3~6倍超える大腸菌群が検出されたと発表した。検査値は変動する可能性もあるが、市は稲村ガ崎から材木座までの海岸16カ所に案内板を設置し、海に入ることを控えるよう呼び掛けている。
調査は11日に実施。放流口から由比ガ浜方面へ50メートル離れた地点で検出された大腸菌群数が、100ミリリットル当たりで基準の6・4倍。放流口から約1・2キロメートル離れ、材木座と由比ガ浜海水浴場を隔てる滑川河口付近では3・6倍だった。
市都市整備部によると、検出値は日によって変動があり、潮流や風向きの影響を受ける可能性もある。11日は風速25・1メートルの強風だったという。
4月に歩道が陥没し、地下に埋設されていた下水管が破損。市は仮排水管を2本敷設したが、処理しきれない分は海に流している。今後、さらに太い管を設置する準備を進める。放水量を減らすため、市南部の雪ノ下や扇ガ谷など15地区に節水も呼び掛けている。