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時代の正体〈310〉シールズの1年(下) 誰もが当事者と気付く

社会 | 神奈川新聞 | 2016年5月9日(月) 10:10

講演会で写真とともに活動を振り返る矢部真太さん=4月15日、横浜市中区
講演会で写真とともに活動を振り返る矢部真太さん=4月15日、横浜市中区

 見上げた空の澄んだ青さのように、どこまでも心が解き放たれていく感覚が心地よかった。8日、東京・渋谷で開かれた性的少数者(LGBT)の祭典「東京レインボープライド」のパレード。同性愛のカップルが手をつないで歩き、プラカードに「好きな人と結婚したい!」の文字が揺れていた。道行く人が足を止め、手を振り返している。SEALDs(シールズ)のメンバー、大学4年生の矢部真太さん(23)は一眼レフを構えながら、自然と笑顔になっている自分に気付いた。

 「沿道の子どもにカメラを向けると、ふざけておどけた顔をしてきて。僕もイエーイって声を上げて。隔たりのない社会の自由さ、温かさを実感した。この社会にはいろんな人が生きていて、それは壁の向こうにいるわけではなく、同じ場所にいる。そう意識できる場だった。この感覚を大事にしていきたいとあらためて思った」

 自分を含めた誰もがありのままを生きる権利がある。民主主義のあるべき姿が目の前の光景に重なって思えた。1年前に同じパレードを撮影したときは「LGBTの人って、こんなにたくさんいるんだ」と目を見張るばかりだった矢部さんの変化が、そこにあった。

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