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「大涌谷カレー」復活、キッチンカーで営業

社会 | 神奈川新聞 | 2016年5月5日(木) 02:00

「多くのお客さまに味わっていただきたい」と話す中村さん=箱根ロープウェイ姥子駅
「多くのお客さまに味わっていただきたい」と話す中村さん=箱根ロープウェイ姥子駅

 箱根山・大涌谷周辺の火山活動活発化の影響で営業を休止している箱根ロープウェイ大涌谷駅の食堂「大涌谷 駅食堂」の名物「大涌谷カレー」がキッチンカーで復活し、3カ月を迎えた。「今できることを」との思いで、食堂で腕を振るっていたシェフたちが姥子、早雲山両駅を拠点に営業を続ける。いつか帰れる日を夢見て。

 食堂は大涌谷駅の2階にあり、洋食やそば、うどんなどを提供。中でも大涌谷カレーは1番人気だった。粗めの豚ひき肉を使ったカレーで、運営する同社は「スパイシーな味がPRポイント。温泉たまごのトッピングでまろやかな味わいも楽しめる」。

 季節により異なるが、厨房(ちゅうぼう)には5~6人が立ち、ゴールデンウイークなど観光シーズンには多いときで1日400~450食が売れた。

 それが火山活動活発化の影響で一変した。昨年5月、駅舎を含む大涌谷周辺への立ち入りができなくなり、食堂は営業休止に。それにともない調理スタッフらは、早雲山駅などの売店で接客業務に就くなど環境も激変した。

 キッチンカーでの営業は昨年夏ごろ、調理スタッフ側からの「できることはやろう」との発案がきっかけだった。構想を練り、今年に入って会社側に提案してゴーサインが出た。

 調理スタッフの一人、中村大輔さん(36)は先行きが不透明な中「お客さんに喜んでもらえる状況を考えようという思いだった」と振り返る。レンタルでキッチンカーを調達。2月から営業を始めた。

 現在、キッチンカーには調理スタッフとして中村さんを中心に計3人が交代で立つ。いずれも、食堂で腕を振るってきたメンバーだ。別のスタッフ3人もアシスタントとして携わる。

 初めてのキッチンカーでの営業。調理方法は変わらないが、スペースや設備面など厨房とは勝手が異なる。1日に提供する量など、試行錯誤が続いた。

 一方、観光客とは顔と顔で接するようになった。「間近で反応を見られ、その姿がモチベーションにつながっている」。日により売れ行きに変動はあるが、数十食程度を販売しており、リピーターもいるという。

 4月下旬、ロープウェイが大涌谷駅まで延長運行を始めた。まだ駅舎の外には出られず、店舗再開の見通しも立っていないが、中村さんは「一歩前進」と捉える。「(再開まで)名物の味を絶やさないようにしたい」と強調した。

 1食500円。100円で温泉たまごもトッピングできる。ゴールデンウイーク期間中は午前10時~午後3時ごろ、早雲山駅で販売する予定。

 
 

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