
連合系の「第87回かながわ中央メーデー」が29日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区の臨港パークで開かれ、約8500人(主催者発表)が参加した。政権が主導する「官製春闘」の失速や雇用の規制緩和が進む中、宣言では「働く者を犠牲とした経済成長を許してはならない」などと訴えた。
連合神奈川の柏木教一会長は、改正労働者派遣法や政府・与党が導入を目指す高度プロフェッショナル制度などを「労働法制の改悪。働く環境の悪化は枚挙にいとまがない」と指摘。「民主主義の劣化」も挙げ、「立憲主義をないがしろにする安倍政権が暴走を始めている。わが国はさまざまな危機のど真ん中にいる」とも訴えた。
自動車系労働組合の男性組合員(37)は「会社の収益と給料が上がっても社会保険料なども上がり、実入りが増えない」と嘆いた。今年の春闘は要求に対して満額回答を得たが「将来の不安が大きいので、お金を使うより貯金する。高齢者だけでなく、30~40代の働く子育て世代に対する政策を求める声を伝えたい」と話していた。
県内ではこの日を含め、4月中に9カ所で連合系メーデーが開催され、各大会で「豊かさを感じて安心して暮らせる世の中をつくり出していきたい」(川崎地域連合・綱島和彦議長)と訴えた。県によると主催者発表の参加者数は計2万8902人を数えた。