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支援広がる 熊本地震

社会 | 神奈川新聞 | 2016年4月23日(土) 12:19

倒壊寸前の宇土市役所本庁舎を視察する大和市派遣隊=熊本県宇土市(大和市提供)
倒壊寸前の宇土市役所本庁舎を視察する大和市派遣隊=熊本県宇土市(大和市提供)

 熊本県内を中心に相次ぐ地震を受け、自治体間の支援が広がっている。相模原・県央地域では、県などからの要請を受けて清川村を除いた9自治体から計約40人の職員が派遣されることが決まり、被災した建物の危険度判定や被災者のケアなどを行っていく。

◆9市町、職員派遣へ

 国からの派遣要請を受け、建築物の危険度判定を行う「応急危険度判定士」の資格を持った相模原・県央地域の職員31人を含む県内自治体職員計66人が熊本県内に派遣される。23~26日の日程で、二次災害の防止を目的に、被災した建築物が使用できるかどうか被害の程度に応じて「危険」「要注意」「調査済」の3区分で判定を行う。

 また相模原市は厚生労働省からの要請に基づき、一連の地震で震度7を2回記録した同県益城町に、保健師や医師を少なくとも計10人派遣することを決めた。

 第1次隊は20日に派遣され、保健師2人と補助職員が避難所で健康チェックやエコノミークラス症候群の予防指導、感染症を防ぐための衛生面チェックに当たっているという。

 このほか相模原市や厚木市、秦野市が被災地に支援物資を搬送した。

◆ニーズは「物より人」 大和市派遣隊が帰庁

 熊本地震の被災地に自発的に出向いた大和市の派遣隊4人が帰庁し、22日に報道陣の取材に応じた。隊長で市危機管理監の土田孝司さん(56)は「物資より人手が足りなかった。行政職員として必要な支援を見極めて活動できた」と4日間の支援活動を振り返った。

 派遣先は、16日未明の「本震」で5階建ての市役所本庁舎が倒壊寸前になった熊本県宇土市。翌17日に駐車場の仮設テントに設置された同市災害対策本部に合流し、20日まで全国から届いた救援物資の荷ほどきから配布までを手伝った。

 10トントラックで次々に物資が届く半面、荷下ろしして仕分ける人手が圧倒的に足りなかったという。土田さんは20リットルのポリタンクに入った飲用水を例示し、「小分けされたペットボトルの方が負担にならない。支援にも細かな配慮が大切だ」と指摘した。

 派遣隊の4人は近くの公園や、乗り入れた防災活動車の車中で寝泊まりした。派遣中に発生した震度5弱の余震は「怖かった」(土田さん)。建築職で応急危険度判定士の澤田鋼治さん(43)は、宇土市側の要請で小中学校を含む23の公共施設の簡易判定にも当たった。自前の判定士がおらず、二次災害予防に重宝されたという。

 両市間には災害協定のような公的な取り決めがなく、被災地は「本震」後も続く大きな余震でボランティアの受け入れも延期されるほど二次災害が懸念されたが、大木哲市長が東日本大震災の教訓から「物より人」の緊急支援を即断した。

 19日には第2陣の輸送隊が派遣隊からの情報を基に厳選した物資を運び込んだ。宇土市の元松茂樹市長から電話で謝意が伝えられたという。

 
 

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