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法改正求める声
集合住宅に「同性風俗」 規制対象外、住民とトラブル

社会 | 神奈川新聞 | 2016年4月21日(木) 02:00

 女装した男性が同性客に性的サービスを提供する「店舗」が横浜市内のマンションに入居し、住民とトラブルとなっていることが、20日までに分かった。住民側は「実態は性風俗店」と主張するが、同性同士は風営法の規制対象外で警察も介入できない。強制退去を求めるには裁判手続きに訴えるしかなく、同法の改正を求める声が上がっている。

 マンション管理組合によると、店が営業を始めたのは2012年3月ごろ。書類上は家族での入居だが、実際は「ニューハーフヘルス」と称し、男性従業員が男性を接客していた。不特定多数の客や従業員が昼夜出入りするため、住民からは防犯面の不安を訴える声が上がっていた。

 同組合は風営法違反での摘発などを求めて県警や市に相談したが、同性同士は同法の規制が及ばないことを理由に、解決に至らなかった。このため、組合はことし2月、住居専用の建物での営業が管理規約に違反するとして、横浜地裁に営業の禁止を求める仮処分を申し立てた。店側は今月になって「5月末までに退去する」との態度を示しており、近く和解が成立する見込みだ。

 約4年を要して解決の道筋が見えた形だが、女性理事長(56)は「別の場所でも同じような問題になりかねず、同性同士でも規制できるよう風営法を改正してほしい」。組合側の弁護士も「暴力団の資金源になっている可能性もあるのに、規制の抜け穴で堂々と営業している。実態は風俗店なのだから、規制の対象にならないのはおかしい」と訴えている。

■看板なく 残り香…
 「美女たちが感動と喜びの特別な時間をご提供致します」-。店のホームページには、笑顔でポーズをとる自称10~20代の「キャスト」の写真が並ぶ。

 駅から徒歩10分、繁華街から一本裏手に入った場所にあるマンション。平日の午後2時ごろ、キャストとみられる「女性」が、黒のスカートに背中まで伸びた髪をなびかせてエントランスに入っていった。看板はなく、客は事前の電話予約時に近くのコンビニで再び連絡するよう告げられ、案内に従って部屋番号を押すとオートロックが開く仕組み。集会室などを通り抜けてエレベーターで10階に上がり、部屋のインターホンを押すと男性従業員が出迎える。

 住民によると、同店の従業員や客らが出入りすることで、エレベーター内に香水のにおいが充満したり、共有部分で衣服を脱ぐ客がいたりといった苦情が相次いでいるという。18年間住んでいる男性(49)は「居住者には子どももおり、いたずらや犯罪に巻き込まれないか心配だ」と憤りを隠さない。

 インターネットなどによると、横浜市内では、同店を含め少なくとも3店舗が同様の形態で営業しているとみられる。ただ、いずれも詳しい場所などは明らかにしておらず、住民でも実態を把握しづらい側面があるのが実情だ。

 
 

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