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「かすむ横断歩道」国会へ 補修阻む縦割り

社会 | 神奈川新聞 | 2016年4月2日(土) 15:46

厚木市内でも散見される、消えかけた横断歩道
厚木市内でも散見される、消えかけた横断歩道

 かすれて消えかかっている横断歩道の標示を、市町村が補修できない-。厚木市内で起きた死亡事故が浮き彫りにした縦割り行政の問題が、1日の衆院内閣委員会で取り上げられた。背景には自治体間での経費負担の転嫁を禁じた地方財政法の規定があるが、見直しの可能性を問われた河野太郎国家公安委員長兼行政改革担当相(15区)は今後の検討に前向きな姿勢も示す一方、「一存で直そうというわけにもならない」とも述べ、複雑さをのぞかせた。

 同法は、法令に基づく経費負担事務を他の自治体に転嫁してはならないと定めている。市町村が県にミニパトカーを寄付することの当否をめぐる1996年の最高裁判決は、この規定を根拠に「違法」と判断している。交通規制に関する標示も県警の業務に当たるため、市町村が補修することができない。

 民進党の後藤祐一氏(16区)は委員会で「大変理不尽な規定。県が合意した場合はよいとか、形式上は県がやるが費用は市町村が出すとか、やり方があるのではないか」と指摘。河野氏は「財政力に(市町村間で)差があったり『自分でできるなら自分でやってくれ』と言われたり、ハレーションもあると思う」と説明する一方、市町村が独自に補修できない現状を「常識的に考えていかがなものかと思う」とも答弁した。

 厚木市内では2月、下校途中の女子児童が車にはねられ死亡する事故が発生。現場の横断歩道が消えかかっていたこともあり、地元では横断歩道の補修を求める機運が高まっていた。

 県警によると、2016年度当初予算に盛り込まれた道路標示の補修関連費は約6億600万円(15センチ幅換算で約1450キロ相当)。県内には不鮮明になっている横断歩道が約9500カ所(同約2200キロ相当、昨年9月現在)あり、16、17年度で重点的に補修を行っていくという。

 
 

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