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施工中、鉄筋切断か マンション傾斜問題

社会 | 神奈川新聞 | 2016年2月28日(日) 02:00

コンクリート内部の鉄筋が切断されている可能性があるマンション=横浜市西区
コンクリート内部の鉄筋が切断されている可能性があるマンション=横浜市西区

 横浜市西区の分譲マンション(262戸)で建物と地下のくいをつなぐ部分に不適切な施工がなされていた可能性があることが27日、分かった。コンクリートに配管用の穴を開けた際、内部を通る鉄筋を誤って切断するなどの施工不良が疑われるといい、同日までに施工業者から市に説明があった。市は建物の強度に影響が及んでいる可能性があると認識している。事業者は調査会社による調査が終わり次第、住民に詳細を説明するとしている。

 このマンションは熊谷組が施工し、2003年住友不動産が分譲した。14年6月に全5棟うち4棟でくいの一部が強固な地盤に達しておらず、1棟が傾いていることが発覚。傾斜した棟は全住民が退去し、建て替えが予定されているが、残りの4棟は補修して買い取り補償などに応じる方針を同社が住民に示し、協議が進められていた。

 市によると、昨年11月ごろに住民から施工不良を疑う指摘があり、今月に入って熊谷組から「スリーブ」と呼ばれる配管を通す穴を開ける作業で問題があった可能性が報告されていた。

 住民によると、設計とは異なる場所に穴が開けられた結果、補強用の鉄筋が切断されていたり、開けた穴の周囲を鉄筋で補強していない可能性があるといい、地下部分だけで315あるスリーブのうち問題の箇所が60カ所に上る。居住が続いている4棟すべてで見つかっているという。

 現在、調査会社が安全性についての検証を続けており、27日は市の担当者も立ち会った。市は「鉄筋が切れていれば安全性に影響が出てくる可能性がある。調査結果を踏まえ市の対応を検討し、住民の避難が必要なレベルなのかどうか判断したい」としている。

 一方、住友不動産は「調査は途中段階で終わり次第速やかに報告する。ただ、熊谷組からは建物の構造耐力に直接影響があるとは聞いていない。補償の問題を含め居住者と協議を継続していきたい」としている。

住民「問題、次から次」


 「いつになったら安心して暮らせるようになるのか」。住友不動産が分譲したこのマンションでは2年前、全5棟のうち4棟で、くいが支持層と呼ばれる固い地盤に到達しておらず、そのうち1棟が傾いていたことが発覚。新たな問題の浮上に住民から不安と怒りの声が上がった。

 
 

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