成年後見人として管理していた現金1千万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた元県議で行政書士の男(64)の論告求刑公判が23日、横浜地裁(松田俊哉裁判長)であった。検察側は「成年後見制度の根幹を害し悪質」とし、懲役3年を求刑。弁護側は「不法領得の意思は認められない」として無罪を求め結審した。判決は4月15日。
検察側は、被告が被後見人の口座から自らの口座に現金を送金したと指摘。現金はクラブ代などに充てたとし、「不法領得の意思は認められる」として厳重な処罰を訴えた。
弁護側は、被告は被後見人の葬儀費用などに使おうと自分の口座に移したと説明。「制度の規制には違反しているが、ただちに業務上横領に当たるわけではない」とし、親族への返還も済んでいると主張した。
被告は最終意見陳述で「しっかりとした業務を行わなかった。私自身、反省しなければならない」と述べた。
起訴状によると、被告は2013年3月と14年1月、成年後見人として財産を管理していた男性2人の口座から、各500万円を自らの口座に振り込んで横領した、とされる。