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小6まで通院費助成 来年4月、小4以上一部負担も 川崎市

社会 | 神奈川新聞 | 2016年8月30日(火) 02:00

川崎市役所
川崎市役所

 川崎市は29日、来年4月から子どもの通院医療費の助成対象を現行の小学3年生までから小学6年生までに拡大する方針を発表した。福田紀彦市長が2013年市長選公約で掲げた「小学6年までの小児医療費無料化」に基づく拡充だが、小学4~6年生には一部負担金も新たに導入する。9月5日開会の市議会第3回定例会に条例改正案を提出する。

 子どもの医療費は自己負担額が就学前までは2割、小学生以上は大人と同様に3割と国の医療保険制度で決まっているが、各自治体が自己負担額を助成。子育て世帯の支援を目的に窓口負担を無料にしている。

 川崎市も通院医療費に関して0歳から小3まで自己負担額を全額助成しており、一定以上の所得がある保護者の子どもを除き、医科・歯科の窓口負担、処方箋による薬剤費がかからない。

 来年4月以降は小6まで助成対象を広げる一方、新たに対象にする小4~小6では1回当たり最大500円の自己負担(500円未満はその額)を求め、500円を超えた額を助成する。薬剤費は小3以下と同様に全額助成する。

 1歳~小6の所得制限は継続。非課税世帯は一部負担金を免除する。

 一部負担金は安定的な制度運営のための恒久的な財源確保が主たる理由だが、昨年11月の市の方針発表に対し市議会からは反対する意見が相次いでいた。

 一部負担金は全国20政令市のうち13市が今年4月時点で導入。県内自治体は導入していないが、横浜市が来年4月に小6までの対象年齢拡大に合わせて導入を予定している。

 川崎市では前任の阿部孝夫市長時代に財政危機で行財政改革を優先したこともあり助成対象年齢が低く据え置かれ、他自治体との格差が生じていた。子育て政策を重視する福田市長の就任以降は15年4月に小2まで、今年4月に小3までと段階的に引き上げてきた。


公約食い違い
市長「丁寧に説明する」




 福田紀彦市長は市長選で掲げた「小学6年生までの無料化」公約に基づき、通院医療費の助成対象を拡充することを決めた。ただ恒久的な財源確保に苦心し、小学4年生以上に一部負担金を導入するため、「無料化」はかなわなかった。

 福田市長は29日の会見で「公約と齟齬(そご)があることから丁寧な説明をしなければならない」とし、「いずれにしても子どもを産み育てやすい環境を充実させる方向性であり、強い思いで対象年齢を引き上げた」と理解を求めた。

 現在、入院費も含めた小児医療費助成にかかる市の年間事業費は40億7千万円。通院医療費助成を小3から小6までに拡充した場合、対象は約11万人から約2万5千人増え、事業費は年間5億2千万円(自己負担額除く)増える見込みだ。

 一部負担金の導入で年間約1億4千万円の収入を見込むが、市長は「財源だけではない。小児科が混雑し医師は疲弊しており、(無料化で)過剰受診があってはパンクするとの声もある。さまざま勘案し提案に至った」と説明した。

 自治体ごとに助成対象年齢や設計が異なる小児医療費助成の現状について、市長は「ナショナルミニマム(国による最低限の生活保障)を示し国策としてやるべき。国がやらないから各自治体が助成しているわけで、小学6年までは国でやってほしい」とも述べた。

 
 
 

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