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鉄道コラム「前照灯」(239)新幹線フロンティア

社会 | 神奈川新聞 | 2016年2月19日(金) 12:00

ツアーバスから見た「奥津軽いまべつ駅」(2015年12月1日)
ツアーバスから見た「奥津軽いまべつ駅」(2015年12月1日)

 これも今のうちに書いておかねばならぬ。昨年12月、東北から北陸にかけ13の列車を乗り継ぐ4泊5日のツアーに参加した。その一筆書きコースの中でもバスでつないだのが津軽地方。そこで開業を待つ北海道新幹線「奥津軽いまべつ駅」を見学し、頓狂な声を上げてしまった
▼森を行くうち突然光り輝くお城が目前に現れたような感じ。しかし、メルヘンの世界ではなく、中央にガラス張りのタワー棟を配した、美しいシンメトリーの駅舎は現実そのものだった。人家もまばらな山里になぜ―。嬉しいのか悲しいのか、にわかに分からない
▼この新駅には1日7往復14本の列車が止まる。もとは青函トンネルを控えた保守基地(信号場)だった設置計画が旅客扱いに変じた。地元今別町は人口3000人足らず。その集落の中心も新駅とは離れた位置にある。在来線と隣接するとはいえ2次交通の整備が必要だ。どうみても過疎の地である
▼だからこそ地域おこし、観光開発の期待が大きい。それは分かるが、私たち一般利用者の幸せとはどう重なるのか。新幹線延伸への歓呼を聞くたび思う。そのフロンティアへの大盤振る舞いが何をもたらし、何を失わせるのか。ツアー仲間もいぶかった。「当座どれほどの乗り降りがあるかしら」
▼青函トンネル口にも立ち寄った。見学のための展望台が組み立てられていた。工事関係のマイクが列車の接近を伝える。カメラを構えるうち、やがて姿を消す特急「スーパー白鳥」が轟音とともに隧道に吸い込まれていった。展望台での待機で体が冷えた。(F)


青函トンネルに入る特急「スーパー白鳥」(2015年12月1日)
青函トンネルに入る特急「スーパー白鳥」(2015年12月1日)

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