スマートフォンの画像共有アプリ「写真箱」に投稿された児童ポルノの画像や動画を公開したとして、県警サイバー犯罪対策課と泉署などは8日、児童買春・ポルノ禁止法違反(公然陳列)などの疑いで、アプリ運営会社「AIRCAST」(東京都千代田区)社長の男(55)=大田区山王=と元従業員の男ら7人を逮捕した。公然陳列の共同正犯として、アプリの運営管理者を摘発するのは全国初。
逮捕容疑は、昨年10月5日から12日にかけ、福島県の中学2年の男子生徒(14)=同法違反容疑で書類送検=と共謀し、男子生徒が「写真箱」に投稿した児童ポルノなどの動画21点を不特定多数が閲覧できる状態にした、などとしている。
県警は、同社が警察からの画像削除やログ開示の求めに応じなかったり、社長が社員に違法画像を投稿するよう指示したりしていたことなどから、公然陳列の実行行為者に当たると判断した。
同課によると、社長は「(閲覧に必要な)パスワードがあるので公然陳列とは言えない」などと供述、容疑を否認している。同容疑者は昨年11月、同法違反(公然陳列)ほう助の容疑で警視庁に逮捕されたが、同月25日に処分保留で釈放されていた。
◆写真箱・写真袋 動画や静止画を投稿でき、投稿者が設定した「合言葉」を入力すると他の利用者も閲覧、ダウンロードできる。投稿から一定期間過ぎると閲覧は有料になり、AIRCASTは利用料を、投稿者はポイントを受け取る。投稿者は有料期間になってからインターネットの掲示板などに合言葉を書き込み、利益を得ていた。