
県立がんセンター(横浜市旭区)で2月から本格的に始まる重粒子線治療について、県は27日、治療費の融資を受けた際の利子を補給する制度に関する協力協定を横浜銀行、スルガ銀行と結んだ。補給制度や治療費の専用ローンの創設で協力する。2月から始める治療費の助成と合わせ、患者にとって高額な自己負担を軽減する。
重粒子線治療では県は2月から、1人当たり35万円を上限とする治療費の助成を開始。利子補給の関連費を2016年度当初予算案に計上するが、2月の治療開始時の患者から利用できるようにする方針。
対象は県内在住で県立がんセンターで治療を受ける患者やその親族などで、2行の専用ローンを利用する人。借り入れ上限は315万円、期間は7年以内、利率は6%以内。利率3・8%で315万円を借り、7年間で返済する場合、利子の約45万円を県が負担するという。
締結式で、スルガ銀行の岡崎吉弘専務は「ローンの普及が困っている患者の手伝いになれば」と話した。横浜銀行の寺澤辰麿頭取は胃がんで手術した経験を述べ、「(重粒子線治療が)もっと普及して安くなれば、救われる人が増えるのでは。普及のためにこうした施策は非常に有効だと思う」と話した。
重粒子線治療をめぐっては、国の先進医療会議が1月中旬、骨軟部がんについては公的医療保険を導入することを決定したが、そのほかの大部分のがんは患者が高額な医療費を自己負担しなければならない。