2016年に県警が把握した振り込め詐欺など「特殊詐欺」の被害総額は約40億8700万円で、前年に比べて約4億5800万円増加したことが、特殊詐欺対策室のまとめで明らかになった。認知件数も前年比264件増の1286件で、同室は「今後も犯行グループの拠点摘発や犯行ツール対策を強化する」としている。
11年以降で最悪だった14年(1475件、約50億9600万円)と13年(1407件、約46億5100万円)に次ぐ多さで、このうち「オレオレ詐欺」は841件(前年比115件増)。被害総額は約23億6700万円(約1億5600万円増)だった。
また税務署員などを装い、還付金があるとうそを言って現金自動預払機(ATM)に誘導し、現金を振り込ませる「還付金等詐欺」は256件、約3億2千万円(173件増、約2億2300万円増)と大幅に増加。256件のうち、無人ATMに誘導されたケースは102件で、多くはスーパーなどの店舗だった。還付金等詐欺が増加した背景について同室は「1回の被害額は少ないが、直接会わないので捕まるリスクが低いと考えているからではないか」などと分析している。
被害の特徴でみると、被害者の性別は女性が73・1%、年代別では70代以上が81・5%を占めた。
同室は昨年、164人(10人増)を検挙。ただ、多くは現金を受け取る「受け子」とうその電話をかける「かけ子」で、「主犯が捕まらない状況」(同室)という。