2015年に県警が把握した振り込め詐欺など「特殊詐欺」の被害総額は約36億2900万円で、ここ数年で最悪だった14年に比べ約14億6700万円減少したことが、特殊詐欺対策室のまとめで明らかになった。ただ、依然として高水準で推移しており、同室は「犯行グループのアジト摘発や犯行ツール対策などを今後も強化する」としている。
同室によると、特殊詐欺の認知件数も前年比453件減の1022件で、額・件数ともに約3割の大幅減となった。
このうち、オレオレ詐欺や架空請求詐欺、還付金詐欺などを含む「振り込め詐欺」は、前年比399件減の993件。被害総額は約32億7700万円(約9億5500万円減)で、中でも還付金詐欺は83件・約9700万円(270件減、2億9800万円減)と、8割近く減少した。
振り込め詐欺被害の特徴でみると、被害者の性別と年代別では、女性が76・5%で、70代以上が83・7%を占めた。既遂914件のうち、「受け子」に直接現金を手渡したケースが630件と最多で、口座への振り込みなどが183件、郵便などによる送付が54件だった。
同室は昨年、詐欺グループのアジトを11件(前年比7件増)摘発し、50人(同35人増)を検挙した。