秦野市は2017年度中の完成を目指し、小田急線鶴巻温泉駅南口の駅前広場の整備を着工した。昨年12月に整地を始め、今月に基礎のくい打ちに入った。バスロータリーのほか、駅東側の歩道と駅を結ぶ歩道橋などを設置する。1983年度の都市計画決定から32年。同広場の完成で市内の駅前整備は一段落となるという。
計画では、新設のバスロータリーには北口を出発する路線の一部を移すほか、タクシー乗り場も整備する。歩道橋は踏切東側の歩道から県道をまたぎ、改札に直結するもので、全長100メートルにもなる。踏切を無理に横断する人を減らし、渋滞解消を狙う。
また県は南口広場に接する県道を300メートルほど、現在の幅約7メートルから左右に3メートルずつの歩道を設け、約13メートルに広げる。総工費は広場が31億円、県道拡幅が約13億円。
広場は2017年度中に完成する見通しだが、県道は未定。市は「県道が完成していない場合でも、広場と接続可能で、広場は予定通り利用開始できる」と話している。
市内では高低差のため整備が難しい東海大学前駅北口を除き、鶴巻温泉駅の南口だけ整備ができていなかった。同時期に都市計画決定された北口の駅前広場は1996年度に完成している。
地元住民からは整備の要望が長年出ていた。しかし県の財政悪化などで県道側の整備が進まず、市も広場側の整備を踏み切れなかった。その後、他駅周辺の整備が一段落したことで、財政的にも余裕が出てきたため着手を決めた。