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「正気とは思えない」 自民改憲草案に元最高裁判事

社会 | 神奈川新聞 | 2016年1月21日(木) 02:00

緊急事態条項の危険性を指摘する元最高裁判事の浜田さん(中央)=参議院議員会館
緊急事態条項の危険性を指摘する元最高裁判事の浜田さん(中央)=参議院議員会館

 元最高裁判事の浜田邦夫さんを招き、自民党改憲草案について学ぶ憲法カフェが20日、参議院議員会館で開かれた。安倍政権が改憲の重要項目に掲げる緊急事態条項について、浜田さんは「正気の人が書いた条文とは思えない。新設されてしまえば世界に例を見ない悪法になる」と厳しく批判した。

 憲法カフェは、安全保障関連法に反対する市民団体「ママの会」が企画。野党議員らも参加した。

 浜田さんは、条文の項目に沿って問題点を指摘。〈内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる〉と記された99条1項について、「立法府である国会の承認が全くなくても、法律を作れてしまう。緊急事態の効力の期間も定められておらず、永久に政権運営ができてしまう」と強調した。

 さらに、〈緊急事態が発せられた場合、何人も公の機関の指示に従わなければならない〉とする99条3項についても「罰則付きの国民の協力義務となると、憲法上の基本的人権も全く無視される。組織が重要で、個人は組織に従わなければならない、その組織運営は『俺がやる』という発想は独裁政権そのものだ」と問題視した。

 改憲議論に関しても「国会は昔『良識の府』と言われたが、良識というのは自分の考えだけを推し進めることではない。民主主義の基本原理ともされる国会で、分かりやすい言葉できちんと国民に説明してほしい」と注文を付けた。

 浜田さんは、昨年9月の参院平和安全法制特別委員会が開いた中央公聴会に公述人として出席。元最高裁判事として「安保法制は違憲」と論じていた。

 
 

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