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アルジェリア人質事件3年 「教訓生かし体制強化」日揮

社会 | 神奈川新聞 | 2016年1月16日(土) 13:41

日本人9人の遺体が納められたひつぎに献花する政府と日揮の関係者ら=2013年1月25日午前7時半、羽田空港
日本人9人の遺体が納められたひつぎに献花する政府と日揮の関係者ら=2013年1月25日午前7時半、羽田空港

 イスラム武装勢力にガス田が襲われ、日本人10人を含む多数が犠牲になったアルジェリア人質事件から16日で3年。現地駐在員をはじめとする社員の命を奪われたプラント建設大手「日揮」(横浜市西区)は、事件を教訓に危機管理体制を見直し、テロなどのリスクに向き合い続けている。

 「かなり詳しい情報も各方面から入手し、成果を挙げている。何より従業員の安全を確保し守るという観点で大きなリスクが予知された国や地域では仕事はしない、ということを貫いている」

 中東やアフリカなど主要産油国でプラント建設を中心とするプロジェクトを展開している日揮。3年前の「想像を超える事件」を受け、同社は従来の「事後対応型」だった危機管理体制を、受注・進出前に現地の治安情報などを収集したりする事前対策型に転換。対応にあたるセキュリティー対策部門を社長直轄の本部に格上げし、外部から危機管理に詳しい専門人材を雇い入れるなど、リスクの予見を強化してきた。

 こうした取り組みは、事件直後から進めてきた生存者の証言に基づく事件の検証や安全対策の刷新を具体化させた形だ。同社は「地域のリスクを見詰めることがこれまで以上に大変重要になっている」と、あらためて「世界で働く社員をどう守るかという事業の大前提」に立ち返っている。

 しかし、世界ではテロが後を絶たず、2015年2月には過激派組織「イスラム国」(IS)によって日本人2人の命が絶たれる人質事件も発生。「今も家族を失った悲痛を抱える遺族への個別ケアは継続させている」(同社)といい、生存者をはじめとする社員の心の傷を癒やす取り組みと合わせて進めている。

 16日は犠牲者への弔意を示す半旗を掲揚。事件のあったアルジェリア南東部イナメナスでも、現地関係者らが事件後に建立された慰霊碑で黙とうをささげる予定だ。

首謀者を国際手配県警

 アルジェリア人質事件で、県警は昨年、人質強要処罰法(人質殺害、逮捕監禁など)と組織犯罪処罰法(組織的な殺人)の違反容疑で、イスラム武装組織「覆面旅団」の指導者で同国籍のモフタール・ベルモフタール容疑者(43)の逮捕状を取得、国際手配した。イスラム過激派のテロリストに対する逮捕状発布は国内初。陰惨なテロが世界中で相次ぐ中、厳然と対応する姿勢を示した格好だ。

 同容疑者をめぐっては昨夏に死亡説が流れたが、県警外事課は「明らかに死亡したと分かるまで追い続ける。可能であれば日本に移送し、裁判を受けさせたい」と強調している。

 県警は事件発生から9日後の2013年1月25日、550人体制の対策室を設置。同容疑者を国際手配している米、豪、アルジェリアの捜査当局と連携しながら情報を集め、遺体の引き取りや被害者や遺族の支援などにもあたった。

 捜査員は現地にも赴き、生き残った人質や拘束されたテロリストから事情を聴取。犯行グループが現場に残したメモや、インターネット上に発表した犯行声明などから同容疑者の関与を特定し、国外犯規定に基づいて逮捕状を取得した。

 国内での検視結果も合わせ、これまでに日本人犠牲者10人のうち日揮最高顧問の新谷正法さん(66)と同社社員の前川秀海さん(60)ら4人が亡くなった経緯と死因が判明した。同課は「残る6人が殺害された状況も明らかにし、被疑者を特定したい」としている。

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