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踏み出せば戦争に加担 大学の軍事研究、政府が助成 慶応大で研究会発足

社会 | 神奈川新聞 | 2017年1月14日(土) 22:53

軍学共同研究の問題を指摘する識者ら。(右から)池内了名古屋大名誉教授、高桑和巳慶応大准教授、片山杜秀慶応大教授
軍学共同研究の問題を指摘する識者ら。(右から)池内了名古屋大名誉教授、高桑和巳慶応大准教授、片山杜秀慶応大教授

軍事技術の基礎研究が、政府の主導によって大学で行われることの問題点が指摘されたシンポジウム=14日午後、慶応大日吉キャンパス
軍事技術の基礎研究が、政府の主導によって大学で行われることの問題点が指摘されたシンポジウム=14日午後、慶応大日吉キャンパス

【時代の正体取材班=田崎 基】政府が主導する大学での軍事研究の問題点を明らかにするため「慶応義塾大学軍学共同問題研究会」が14日、発足した。同日、横浜市港北区の日吉キャンパスで「慶応で軍学共同問題を考える~ペンは剣より強いのか」と銘打ちシンポジウムを開催。宇宙物理学者や日本政治思想史の研究者らが講演し、大学での軍事技術研究の危険性や、そうした研究を政府が助成することの問題を指摘した。

 防衛省は2017年度予算案に、大学への軍事研究助成「安全保障技術研究推進制度」として前年度比18倍に当たる約110億円を計上した。宇宙物理学者の池内了名古屋大名誉教授は、「これまで隠しながらだったことが公然と行われる。一歩踏み出せば戦争への加担になることを忘れてはならない」と強調した。


宇宙物理学者の池内了名古屋大名誉教授
宇宙物理学者の池内了名古屋大名誉教授

 また、同省からの金が研究費に流入することで、「大学の自治は侵害され、学問の自由も侵される。研究は秘匿され、現場は萎縮する。研究者は堕落し、学生への教育的影響は大きい。軍事研究が当たり前になってしまう」と、危機感をあらわにした。


日本政治思想史が専門の片山杜秀慶応大教授
日本政治思想史が専門の片山杜秀慶応大教授

 日本政治思想史が専門の片山杜秀慶応大教授は、第1次、第2次世界大戦期に国家がいかに学術分野の学者を動員したか、当時の資料を使って解説。「金のひもを付けて言うことを聞かせる、ということが当時から入念に行われていた。いま同じことが行われようとしている」と指摘した。

 慶応大理工学部の高桑和巳准教授(イタリア・フランス現代思想)は、「僕は軍事技術の研究などのために学生を育てているわけではない」と強調。「特に慶応大は『ペンは剣より強し』をモットーとしている。防衛省の金が研究費に入っていいはずがない。慶応大がこの助成制度に応募できないような内規を実現したい」と話した。


慶応大理工学部の高桑和巳准教授(イタリア・フランス現代思想)
慶応大理工学部の高桑和巳准教授(イタリア・フランス現代思想)

 同省からの軍事技術開発助成を巡っては16年9月、研究者や団体による「軍学共同反対連絡会」が発足。各大学や研究機関に、17年度の研究費助成制度に応募しないよう要請する署名を集めている。

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