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民主主義考
時代の正体〈240〉市民連合始動(上)

社会 | 神奈川新聞 | 2016年1月6日(水) 13:16

小林節さん
小林節さん

 安全保障関連法の廃止、立憲主義の回復を掲げ、今夏の参院選で野党の共闘を呼び掛ける「市民連合」が5日、東京・新宿で初めての街宣活動を実施した。なぜ反安倍政権で、なぜいま「市民連合」なのか。登壇者のスピーチを紹介する。

安保法反対パパママの会熊本・瀧本知加さん


瀧本知加さん 
瀧本知加さん 

 私は働きながら1歳3カ月の娘を育てる新米ママだ。熊本では全国に先駆け市民と野党各党の統一候補を擁立できた。その経緯について話したい。

 私たち安保関連法に反対するパパママの会熊本は昨年9月の安保関連法採決直前に結成された。デモや学習会などの活動を続ける中で厳しい現状を目の当たりにした。採決直前は何百人も集まっていたデモ隊は採決後は数十人になってしまった。子どもとの時間を犠牲にしながら活動に時間を割いても、私たちにできることはちっぽけなことではないかと頭によぎった。

 だが、法律の内容と成立の過程を目の当たりにし、こんなにひどい政治を見過ごせない。私たちの力で変えなければならない。これまでのような活動では駄目だと思いを新たにした。

 政治に対して私たちが持っている最大の力、選挙権を行使する。それも最大の力を発揮させる。つまり与党の自民、公明両党の候補を落選させ、安保関連法に反対し、立憲主義を取り戻す候補を勝たせる。それが必要不可欠で、統一候補の擁立こそが私たちの活動の希望になると採決直後に明確に意識した。

 それはパパママ会だけではなかった。「1強多弱」の構図が明確な熊本では、野党が協力しなければ絶対に勝てないという危機感を共有した11の市民団体が集まり「戦争させない・9条壊すな!くまもとネット」ができた。集団的自衛権行使容認の撤回、11の安保関連法の廃止、立憲主義を取り戻すという3点で共闘するよう野党に対して働き掛けを行った。

 要請書には県内50の団体・企業が名を連ね、市民と野党の協議の末に統一して応援できる候補を擁立できた。統一候補の阿部広美さんはシングルマザーから弁護士になった馬力のある先輩ママであり、熊本で地道に平和活動、反貧困の活動をしてきた、まさに熊本の市民が押し上げたこれ以上ない素晴らしい候補だ。

 熊本には水俣病や川辺川ダムの問題など、権力の横暴に対して市民と野党が結束して闘ってきた活動の歴史がある。その土台の上に福島第1原発事故で移住してきた人たちが新しい市民活動を展開している。統一候補擁立活動は二つの活動が重なり、相互に足りないところを補い合いながら、これまでとは全く異なる新しい、とても力強い大きなうねりとなっている。

 活動の核となったのは、先に挙げた3点を絶対に譲らない、という私たち熊本の市民と野党の共通の思い。3点の重要性についてメディアは十分には取り上げず、揚げ足取りの政局報道に徹しているが、それを尻目に「ようしやってやろうではないか」というのが熊本の市民団体の決意だ。統一候補が決まったことで、私たち市民団体が共通の目標を持つことができ、それぞれの活動が有機的につながり、これまでになく、広がっている。

 子どもたちの未来に残していかなければならないものは平和な未来だ。そのためには平和を大切にする政治を担う議員が必要だ。民主主義をないがしろにする議員はいらない。ルール違反をする議員はいらない。平和の大切さを理解しない議員はいらない。

 市民が求める議員は私たち市民自らが国会に送る。この動きが全国に広まり、市民野党統一候補の擁立が一つでも多くの選挙区で実現することを願い、熊本から全国にエールを送りたい。

小林節・慶大名誉教授



 安倍晋三首相の応援団である評論家によれば、日本はいま、安倍さんを中心とする「日本軍」と、私たちのように彼らに反対する「反日軍」による戦争状態にあるそうだ。

 
 
 
 

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