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新たな観光資源に膨らむ期待
動くSL雄姿再び 山北「鉄道の町」復活へ

社会 | 神奈川新聞 | 2016年1月4日(月) 09:37

静態保存されたD52に磨きを掛ける鉄道公園保存会の関会長(左)ら =山北町山北の山北鉄道公園
静態保存されたD52に磨きを掛ける鉄道公園保存会の関会長(左)ら =山北町山北の山北鉄道公園

 約半世紀動かなかった機関車の車輪とその歴史が、再び動きだす-。JR御殿場線山北駅近くの山北鉄道公園に静態保存されている「D52」が、かつての蒸気から圧縮空気へと動力を変える動態化整備を経て、今秋にも公園内での運転が可能となる見込みだ。昨年12月上旬には山北町が「D52奇跡の復活事業」を盛り込んだ一般会計補正予算案が町議会で可決され、動力部分の整備にも既に着手している。「鉄道の町」復活へ、関係者は大きな期待を寄せている。 

 明治期から1934年の丹那トンネル(静岡県)開通まで、東海道本線(現御殿場線)の重要拠点だった山北駅は、かつて「鉄道の町」と呼ばれた。そのにぎわいを知るD52は、68年の御殿場線の電化に伴い引退。70年に現在地に移設され、その翌年から鉄道公園保存会(関亀夫会長)などが維持・管理を担ってきた。同公園のシンボルとして親しまれている。

 長らく動かないままだったD52の転機は、地方活性化などを目的とした国の「地方創生」事業で町がD52に着目したことだった。昨秋に申請が認められ、町も3700万円の予算を組んだ。線路を約12メートル延伸し、動力部分にエアコンプレッサー2基による圧縮空気を用い、車輪2回転分(約9メートル)ほど前後に動くようになるという。

 町は群馬県川場村などでD51を「再生」させた実績を持つ、鉄道文化協議会の恒松孝仁さん(60)に事業を委託。恒松さんは町内に転居し昨年12月22日から作業に入っている。「屋根があったからか保存状態は極上」と恒松さん。雨による足回りの腐食は抑えられ、通常より工事費は4割程度少なくて済むという。

 戦前にD51の機関助士として御殿場線を走っていたという室伏康一さん(86)=同町=は「動かさないのはもったいない、という話は以前からあったが、町に予算がない状況も理解していた。(維持活動を)やり続けてきたかいがあったね」と満面の笑みを浮かべる。

 事業決定後のある日、同保存会の約30人が年4回の清掃・維持活動に結集した。身軽に車体に上り、手慣れた手つきで軽油を車体に塗り、運転台磨きに汗する。復活への期待に一層力がこもる。関会長は「これまでとはやりがいが違う。みんな気合が入っているのでは」と目を細める。

 「早く動く姿を見てみたいよね。未開封の機関士の制服を貸そうかな」と喜びを隠せない室伏さん。町側も鉄道資料館の開設や有料乗車体験など、観光資源として期待を寄せる。「全国から鉄道ファンらを集めて、新しい流れをつくりたい」

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