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教訓、真実問い続け いじめ、事故…遺族手記

社会 | 神奈川新聞 | 2015年12月28日(月) 02:00

亡くなった篠原真矢さん(ジェントルハートプロジェクト提供)
亡くなった篠原真矢さん(ジェントルハートプロジェクト提供)

 学校でのいじめや部活動中の事故でわが子を失った21の被害者家族の手記を収めた文集「問わずにはいられない 学校事故・事件の現場より」が自費出版された。5年前に中学3年だった次男を自殺で失った篠原真紀さん(49)=川崎市麻生区=も手記を寄せ、「学校や教育関係の人たちに読んでほしい」という思いを託した。

 2010年6月、川崎市立中学3年だった次男の真矢さん=当時(14)=は「友だちのことも護(まも)れなかった」とする遺書を残し、自宅トイレで命を絶った。親友がいじめられているのを止めに入った後に標的になり、殴られたり下着を脱がされたりする被害に遭っていた。

 真紀さんは手記で、わが子の死を社会として教訓にするためにも「現実を知ることの大切さ」を冷静な筆致でつづった。真矢さんが亡くなった後に市教育委員会の指導主事2人が真相を解明すべく、真矢さんの友人らと時に泣きながら聞き取り調査に当たったことなども振り返った。真矢さんの親友と深く関わり、後悔と自責の念に苦しんでいるのを知ったことにも触れた。

 真紀さんは「他の手記を読めば分かるが、私たちのケースは関係する人たちが前を向いて事実解明に取り組んだ恵まれたケース。他の家族は学校の不誠実な対応に悔しい思いをしている人も多い」と話す。

 手記でも繰り返し強調した。

 〈真実を受け止めることは本当に辛く苦しい。しかし、次の命を守るために事実を知り、その教訓を生かさなければ、真の再発防止策は生まれません〉

 「『困っている人を助ける・人の役に立ち優しくする』それだけを目標に生きてきた」と遺書に記した息子の遺志を継ぎ、真紀さんは夫の宏明さん(51)とともにいじめ問題の講演で全国を回る。手記の最後をこう結んでいる。

 〈この世に絶望し、泣きながら自らの命を絶った子どもたちに「またあの世界に生まれてみたい」と思って貰(もら)えるような世界を作ること。それこそが私たち残された者全てに託された「責務」ではないか〉

 254ページ、定価1200円。アマゾンで購入できる。問い合わせは、あうん社電話0795(70)3232。


21家族の手記を収めた本を手にする篠原真紀さん
21家族の手記を収めた本を手にする篠原真紀さん

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