1人暮らしの高齢者の増加に伴い、行き場のない遺骨を安置する場の確保が課題になっている。県内でも高齢化率が29・32%(10月現在)と高水準の横須賀市では、納骨堂が一時的に安置している遺骨でいっぱいになり、市営墓地に移すペースも加速。生前に葬儀や納骨に関する意思の表示を支援する制度も、関心を集めるようになってきた。
横須賀市浦賀の小高い山の斜面に、無縁納骨堂がひっそりとたたずむ。
300年以上前から無縁墓地として使用されてきた。1923(大正12)年の関東大震災後、犠牲者を埋葬する共同墓地として使われたこともある。
幅約5メートル、奥行き約1・5メートルの内部を骨つぼがぎっしりと埋める。「不詳家」と記されたものもある。
遺骨は定期的にいっぱいになる。横須賀市は171柱の遺骨を10月、市営墓地に移して合祀(ごうし)し、埋葬した。前回の合祀は6年ぶりだったが、今回は4年ぶり。行き場のない遺骨の増加が、ペースを速めている。