13日午後8時40分ごろ、大和市林間2丁目の住宅に住む女性(81)が「長男に殺されるかもしれない」と近くの男性宅に逃げ込んだ。男性の110番通報で大和署員2人が女性宅に駆け付けたところ、無職の男(54)が日本刀とみられる刃物で2人を切り付けて軽傷を負わせ、1人で立てこもった。県警は約5時間半後の14日午前2時ごろ突入、公務執行妨害の疑いで男を現行犯逮捕した。
同署は、精神疾患による男の通院歴を確認しており、刑事責任能力について調べている。軽傷を負った署員は地域課の31歳と32歳の男性巡査部長で、それぞれ首と左手人さし指を切られた。2人暮らしの母親は、男に蹴られて肋骨(ろっこつ)を負傷。男も逮捕時に額をけがした。
逮捕容疑は、14日未明に突入した機動捜査隊員(34)を刃物で突き刺そうとし、職務を妨害した、としている。隊員は盾でかわし、けがはなかった。男は取り調べに応じていないという。同署は軽傷を負った署員2人に対する殺人未遂容疑でも調べる方針。
同署によると、母親は11日から男に暴行を受けていた。現場は、小田急江ノ島線南林間駅から北に約400メートルの住宅街。多くの警察車両などが駆け付けて騒然とした。通報した男性(75)は「長男に暴行されたのか、母親の両脚全体にあざがあった。慌てた様子で興奮して駆け込んできた」と話した。