
4月の相模原市議選南区選挙区で0・661票差で最下位当選し、その後、次点候補の異議申し出を受けた市選挙管理委員会の決定により当選無効とされた小林丈人氏(44)が、審査申し立てを棄却した県選管の裁決取り消しを求めた訴訟で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は9日、票の再点検で見つかり次点候補に逆転されることになった1票を有効票と判断し、請求を棄却した。
同日会見した小林氏は「開票現場で誰も見ていないと証言している怪しげな票を有効票と認められた。到底承服しがたい判決だ」と述べ、最高裁に上告する方針。
裁判で小林氏側は、市選管が実施した票の再点検で無効票の中から次点候補の大槻和弘氏(60)に投票したと判読できる有効票1票が見つかったことについて「何者かが票を潜り込ませた」などと主張して争った。
判決では、投票用紙や保存箱が選挙立会人や職員らの監視下にあったと認められ「何者かが無効票の中に票を紛れ込ませることは極めて困難」とし、票の混入の可能性を否定した。
また再点検で見つかった「大つきか●ひ(●は判読不能)」と書かれた票については、「姓が完全に一致し、名前の部分も『かずひろ』の誤記か脱字と解するのが相当」と判断した。
判決を受け同日、県選管の山田吉三郎委員長は、「県選管の行った裁決の正当性が司法の場において認められたものと受け止めている」とのコメントを発表した。