小惑星探査機「はやぶさ2」を運用する管制室がある相模原市中央区の宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスでは3日夜、技術員らがスイングバイを行う地球最接近の状況を見守った。
同キャンパスには臨時のプレスセンターが設置され、管制室内のライブ中継を行った。最接近の約1時間前、総責任者の津田雄一プロジェクトマネージャーが「はやぶさ2」の状況を説明。「探査機は正常に動いている。最接近はこれからなので気が抜けない状況だが、管制室内は緊張感ある中、チームワークよくやっている」と自信を見せた。
「はやぶさ2」は地球最接近時にスイングバイを行ったが、その際は地球の影に入っていたため、昨年12月の打ち上げ以来初めて太陽光発電が止まり、電源が搭載されたバッテリーに20分間ほど切り替わった。午後7時29分ごろ、影から抜け出して再び太陽光発電が始まり、機体に異常がないことが確認されると、ヤマ場を乗り切った管制室の技術員らに笑顔があふれ、歓声と拍手が鳴り響いた。
「はやぶさ2」が目標とする軌道に入れたかどうかの確認には1週間程度かかる見込み。責任者の一人の吉川真ミッションマネージャーは「スイングバイが成功したかどうかまだ分からないが、これまでうまくいっているので、とりあえずほっとした」と表情を緩めた。