横浜市磯子区の住宅で1月、同居する両親を刃物で刺して死傷させたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた次男(23)の裁判員裁判の判決公判が3日、横浜地裁であり、根本渉裁判長は懲役19年(求刑懲役20年)を言い渡した。
根本裁判長は判決理由で、被告は日ごろから両親の不仲を不満に思っており、事件当日は父親らの言動に腹を立てて家族全員を消してしまおうと犯行に及んだと指摘。「殺傷能力の高い牛刀で母親の首を突き刺し、父親も背後から首を狙っており、いずれも殺意は強固で危険かつ残忍な犯行」と非難した。
弁護側は、犯行には飲酒や人格障害の影響があったと主張したが、「自らの行為の意味を理解していたのは明らかで直接的な影響は認められない」とした。一方で動機には人格障害が影響を与えたとし、「適切な診断を受けられず、被告も苦しんでいたことは同情の余地がある」と述べた。
判決によると、被告は1月2日、自宅内で母親=当時(47)=を牛刀で刺して殺害し、父親=同(52)=をナイフで刺して後遺症を伴う重傷を負わせた。
横浜地検は3カ月間、鑑定留置し、刑事責任が問えると判断し起訴していた。