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語り継ぐ関東大震災
未曽有に学ぶ〈53〉帝さんが遺した言葉(下) ◆人のため、社会のため

社会 | 神奈川新聞 | 2015年12月2日(水) 15:33

日高さん(旧姓鈴木)の献身を「天使降臨」の見出しで報じた1923年10月1日の横浜貿易新報(横浜市中央図書館所蔵)
日高さん(旧姓鈴木)の献身を「天使降臨」の見出しで報じた1923年10月1日の横浜貿易新報(横浜市中央図書館所蔵)

 その振る舞いが1923年9月1日の関東大震災の直後に新聞記事や公的な記録に取り上げられた日高帝(てい)。目に焼き付いていたのは、そうした言葉では表現し尽くせない凄惨(せいさん)な現場だった。111歳で生涯を閉じるまで晩年に重ねた証言には、容赦なく命を奪う災禍の無慈悲さを身をもって知ったがゆえの、人や社会とのつながりを大切にしようとの思いが強くにじんでいた。

 今も忘れられない言葉がある。「いろんな方々に感謝。私は生かされているのかしら」

 5年前、2時間に及んだインタビュー。当時106歳の帝は、震災の渦中で多くの人々を救い、また逆に自らも助けられた経験を振り返り、かみしめるように言った。そして、証言することに対する思いを何度も繰り返した。「いつまでも社会のお役に立ちたい」


 都内の自宅で取材に応じた帝は、「関東大震災があった日のことを教えてください」と尋ねると、「細かく覚えていますよ」と言うなり、よどみなく言葉を継いだ。

 迫る火炎から逃れようとたどり着いた横浜公園(現横浜市中区)で、傷ついた人々の手当てを数人の外国人が始めたのを目の当たりにしたときは「神様仏様に見えた」。すぐに「お役に立てれば」と手伝い始め、飲まず食わずで続けていたとき、傍らの青年が1杯の水を差し出してくれた。「優しさが身に染みて、感激して泣きました」

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