他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 「被害者の意思尊重を」 飲酒運転事故遺族が講演 横浜

「被害者の意思尊重を」 飲酒運転事故遺族が講演 横浜

社会 | 神奈川新聞 | 2015年11月21日(土) 10:23

亡くなったまな娘2人の写真とともに事故の根絶を訴える夫妻=横浜市中区
亡くなったまな娘2人の写真とともに事故の根絶を訴える夫妻=横浜市中区

 犯罪被害者支援の必要性を考える講演会が20日、横浜市中区の市開港記念会館で開かれた。16年前、東名高速の飲酒運転事故で娘2人を失った千葉市の男性(65)と、妻(47)が登壇。悲惨な事故に向き合い続ける苦悩を打ち明け、命の大切さと犯罪のない社会の実現を訴えた。

 1999年11月、行楽帰りの男性一家が乗った乗用車に飲酒運転のトラックが追突。長女(当時3)と次女(同1)が命を落とした。事故後、夫妻は全国の遺族らと37万人超の署名を集めて飲酒運転の厳罰化を訴え、危険運転致死傷罪を新設する刑法改正につながった。

 「もう二度と犠牲者が出てほしくない。犯罪抑止力の一つになればと願ってきた」。当時の思いを振り返る男性。妻は「何に苦しみ、何を求めているかは個人で異なる」とした上で、「被害者の意思を聴き、尊重することが必要」と呼び掛けた。


 実際、署名集めに奔走した夫妻も周囲の支えを求め、身近な人のひと言に救われる多くの出来事を体験してきたという。

 妻は「『できることがあれば言ってね』と言ってくれる人はいたが、できることを提案してくれる人は少なかった。一歩踏み込んだ言葉にこそ救われる」。男性は「『(妻を)独りぼっちにしないでくれてありがとう』との言葉をくれた妻の友人に本当に感謝している」と語った。

 市などが主催した講演会には約300人が来場し、誰もが当事者となり得る事件や事故の被害者支援に理解を深めた。

 
 

犯罪被害者に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング